サールナート博物館 初転法輪像 アショーカ王石柱碑

 

●初転法輪像

円満なお顔立ちで仏教美術の最高傑作といわれているこの像は、サールナートで出土。5世紀グプタ朝ころ作られたらしく、日本では百済から仏像・仏典等が伝わったころのものです。結跏趺坐(けっかふざ)して伏し目がち、説法印を結ばれています。台座の中央には法輪と2頭の鹿(鹿野苑)、5比丘とこの像を奉献した婦人(左から二人目、乳房あり)とその子が彫られています。

 

●アショーカ王石柱碑

アショーカ王は、チャンドラグプタ王が創始したマウリヤ王朝最盛期(前3世紀)の王で、征服活動時に多くの犠牲者を出したことを悔い、仏教に帰依しダルマ()による平和的征服をめざしました。勅令を石柱に刻ませ支配地域内(現在のネパールやアフガニスタンまでも)に立てました。石柱は高さ15m。頭部には4頭の獅子が鬣をふるわせて吼えています。お釈迦さまの説法が四方八方へ獅子吼しているのを表しています。この獅子像は、インドの国章になっています。

 

写真①初転法輪像。以前訪れたときに撮ったもの。今回は撮影禁止でした。②アショーカ王石柱碑の頭部の獅子。③④ サールナート遺跡にある3本に折れた石柱の部分。⑤柱には、王が教団の分裂を戒めたブラフミー文字の碑文が刻まれています。⑥ヴァイシャ―リー(第2回仏典結集の場所)に立つ石柱の獅子は1頭だけです。⑦インド国章。⑧⑨国章がはいるインドのお金。⑩インドの国旗。中央に法輪があります。⑪サールナート考古学博物館。