先日、朝6時の鐘を撞きに鐘楼に行きましたら、玉虫が歩いていました。生きている玉虫を境内で見たのは、実は初めてで驚きました。千葉県では準絶滅危惧種になっているそうで、なかなか見つけることができないのではないでしょうか。
玉虫で思い出されるのが、法隆寺にある国宝『玉虫厨子』です。高さ226cm。仏教工芸作品で名宝中の名宝の一つと言われています。玉虫の羽は美しく輝いていますので、逗子を飾るために柱の唐草模様の透かし彫り金具の下などに入れてつくられました。その厨子は、推古天皇が念持仏を祀るため、日頃から座右に置かれたそうです。1400年前の話。
復元レプリカは、何度も制作されてきましたけど、2008年にも宮大工、蒔絵師、錺金具師等累計4000人がかかわり4年間かけて2基制作されました。1基は法隆寺に、もう1基は高山市の茶の湯美術館にあります。写真を見ても素晴らしさがよくわかります。
1匹の玉虫が、法性寺と法隆寺と小さな縁を結びつけてくれたように感じられて嬉しくなりました。
写真①見つけた玉虫。②③鐘楼堂にいました。どこにいるかわかりますか? ④⑤蘇鉄に咲いた花?⑥⑦国宝の玉虫厨子。⑧⑨レプリカ。⑩法隆寺