木柾や木魚は、お経をあげるときにリズムを刻むために用いる仏具です。木柾は、カンカンと歯切れのよい音で法華宗や日蓮宗で。木魚はポクポクと柔らかめの音で、その他の宗派で使用されています。前者も明治頃までは木魚を使っていましたが、より力強く布教するために変えられたようです。その叩く音さえ聞こえ続ければ、読経の声が全く聞こえなくてもどこを拝んでいるのかわかりますので大事です。
木魚のルーツは、禅寺で軒下等に吊るされて使われていた魚形の魚板でした。叩いて時刻や集合の合図等に使われていたそうです。後に魚板は木魚として丸形に変わりましたけど、魚の鱗は木魚の一部に残されています。なぜ魚かというと、魚は眠っているときでも目をあけていることから、眠らずに修行に励むことの象徴なのだそうです。
写真、①武漢の宝通寺の魚板。②魚板の吊るされている建物。僧院? 魚板は、写真内のどこにあるかわかりますか? ③宝通寺の伽藍の一部、④黄檗宗大本山萬福寺(京都府宇治市)の魚板、⑤萬福寺本堂の大雄寶殿、⑥大雄寶殿内のご本尊のお釈迦さまと木魚、⑦⑧法性寺の木柾と木魚(鱗)